病診連携

大阪中央病院

泌尿器科 関井 謙一郎


大阪中央病院 泌尿器科 女性に優しく そして 男性にも… (2017.11.29)

泌尿器科は男性の診療科と思われています。泌尿器科の病気(結石・腎癌・膀胱癌)が男性に高率に発症しますし、前立腺や精巣内容はもちろん男性だけの臓器だからです。

しかし当院の平成29年11月17日をみてみると、外来は50%、入院は59%が女性でした。その理由は、当科には専門外来として女性泌尿器科があるからです。尿失禁や骨盤臓器脱・難治性膀胱炎などを対象として、原因の精査・投薬治療・手術治療を行うため、女性の入院患者が多くなります。

腹圧性尿失禁には中部尿道を、骨盤臓器脱には膣壁をメッシュで吊り上げる手術を行っています。

腹圧性尿失禁 平成27年 平成28年 平成29年
中部尿道スリング手術 16 27 11

骨盤臓器脱 平成27年 平成28年 平成29年
経腟的メッシュ手術 63 76 52

平成29年は10月までの件数です。今後も女性に優しい泌尿器科を目指していきます。もちろん男性にも優しい治療を行っています。

平成25年6月に大阪市内で3番目に、北区では最も早く手術支援ロボット “ダヴィンチ” を導入して前立腺癌の手術を開始しました。平成29年10月までに158例の手術を施行しました。 前立腺癌手術のうちロボット使用が、米国で95%、日本でも80%を占めています。内視鏡による拡大視野と、手首機能を持った鉗子による操作で、治療成績・合併症・治療侵襲は改善しています。

しかし、ロボット支援前立腺全摘術には
 @ 経腹アプローチによる消化管の合併症
 A 手術時の頭低位が強く循環障害のリスク などの問題点がありました。

当院ではより患者侵襲を減らすため、腹膜外アプローチ+頭低位角度を3度とし、消化管合併症と頭低位による障害をなくしました。手術中の出血に対して輸血を必要とした症例はありませんでした。

また、生活の質に直結する術後の尿漏れも、膀胱尿道2層吻合を行う事で、術後7日目の退院時には、失禁率は8%まで低下しています。もちろん最も男性に優しくあるべき勃起機能に関しても、かなり改善されてきているように考えます。

今後も女性にも男性にも優しい泌尿器科を目指していきますので、大阪中央病院をよろしくお願いします。

※ 詳細な内容は以下をご参照ください。
  ▼すべての図表をPDFで見る(587KB)


スライド 1

スライド 1


スライド 2

スライド 2


スライド 3

スライド 3


スライド 4

スライド 4


スライド 5

スライド 5